黙って残念そうな顔をされた時、反省したくなる
自分に落ち度があって悪いことをしたり相手に迷惑をかけたりした時。
相手の反応で、最も反省に向かうものはなにか。
それは、黙って残念そうな顔をされた時です。
逆に、最も反省したくなくなるのは「反省しろ!」と怒鳴られる時です。
悪い点を「悪い」、ダメな点を「ダメ」、気に入らない点を「気に入らない」と、そのまま怒鳴って伝えることほど、反省から遠ざかるものはありません。
「反発心」が先立つ時、反省なんてしないからです。
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◆「強く言っても聞かない」ではない。「強く言っているから聞かれない」のだ。
会社の女性の先輩がこんなことを言っていました。
『上司から怒鳴られたら、なんか言ってるなー、と思って聞き流すよ。いちいち怒鳴って言われても、逆に反発するだけよね。怒鳴られた時はぜんぜん聞いてない』
要は、怒鳴られたとき反省には向かわないのです。
おそらく人は(女性は特に)、怒鳴られたら、話を聞こうとする前に心を閉ざします。反発心が先立ちます。
これは、人間の自然な気持ちです。
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◆最もこたえるのは、相手から黙ってがっかりされること
逆に、最もこたえる反応は、相手からがっかりされることです。
自分の落ち度が薄々わかっていて、それなのに黙って残念がられた時、ものすごく反省したくなります。
『悪いことしたな』と、気持ちが改善にグッと向かいます。
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野球のイチロー選手は、ピッチャーからわざとデッドボールを投げられた時、絶対に怒鳴ったり、ピッチャーをにらんだりしません。
ピッチャーを見ずに黙って粛々と、一塁に向かうのです。
これが最も、ピッチャーにはこたえます。
イチローは、ピッチャーが最も精神的にこたえる対応を知っているのです。
人間の罪悪感とか反省の心は、相手から責められた時に最も感じられなくなり、黙って何も責められなかった時に最も感じるのです。
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◆して欲しかったら、言わないこと。
「反省しろ!」
「勉強しなさい!」
「もっと頑張れ!」
「なんでこうしないんだ!」
言えば言うほど反発心を生むような言葉はおそらく、結果的に損するだけです。
人間は、言われた通りにいくものでは全くないのです。
ではまた今度。